2009年05月19日

仮想儀礼、小説、篠田節子著を読んで

仮想儀礼というタイトルの小説を読んでいる。作者は篠田節子、出版社は新潮社。上下2巻合わせて900ページ位ある。

タイトルだけではどういう内容か想像できないかもしれないが、一言で言うと自分の夢を追いかけて安定した職業を捨て、脱サラし独立したが、騙されて失敗し、しかし騙したやつと組んで新興宗教を起こしていくというもの。

その過程で様々なドラマがある。当然最初はうまくいかず泣かず飛ばずの状態だが、運や偶然に助けられて一時的にはマスコミにも取り上げられるくらいの成功を収める。しかしそのせいで既存の大教団の教祖に目を付けられて脅され、殆ど壊滅的な状態まで追い込まれたりする。 

ストーリーの中には様々な人物像が描かれている。その登場人物たちを見ていると、小説ではあるが、人間を信じるのは難しい、とつくづく感じさせられた。この人物は信じられると思っていたら裏切られるし、こいつは信じられないと思っていたやつが、ある面では非常に人間的で、情愛に溢れていたりする。本性は虫けら以下のようなやつが弁舌さわやかで、多くの人を魅了したり、清廉潔白な表情の持ち主が実は畜生だったりする。

小説だから実際の人間はここまでひどいことはないだろうと思うが、実在のモデルがいるとすれば恐ろしい。

この小説の主題は何なのか、作者が伝えたかったことは何なのか、まだ読んでいる途中であるがいろいろと考えさせられており、大変興味深く、面白い小説である。


posted by 王子 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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